ユナイテッド株式会社 代表取締役・山村大輝氏が語る、“ひとり建設業”と人を活かす現場づくり

建設業界では、人手不足や若手定着、働き方改革など、さまざまな課題が語られる一方で、現場では今もなお「人をどう活かすか」「どうすれば無理なく強い組織をつくれるか」を模索する経営者が数多くいます。

そうした中で、北海道・函館を拠点に、土木・建設工事の総合サポート会社として独自の立ち位置を築いているのがユナイテッド株式会社です。施工管理サポート、書類作成代行、設計、ICT活用、コンサルティング、セミナーなど、従来の建設会社の枠に収まらない支援を行いながら、全国の建設事業者と向き合っています。

今回は、ユナイテッド株式会社 代表取締役・山村大輝氏に、これまでの歩み、仕事の中で大切にしている考え方、現場づくりの工夫、そしてこれからの建設業に対する思いについて伺いました。


目次

多様な立場を経験してきた、“土木・建設の総合サポーター”

山村大輝氏は、北海道・函館を拠点に事業を展開するユナイテッド株式会社の代表取締役です。
土木業界での経験は33年にのぼり、ゼネコンでの施工管理、下請けでの施工管理、家業での役員経験、設計会社での勤務、そして独立と、さまざまな立場から現場と経営の両方を見てきました。

その経験を活かし、現在は土木・建設工事の総合サポート会社として、施工管理サポートや書類作成代行、設計、ICT、コンサルティング、セミナーなど幅広い支援を行っています。工事そのものは地元・北海道が中心ですが、施工管理や技術支援に関しては全国対応を行っているのも特徴です。

また、山村氏は自らの取り組みを「ひとり建設業」と表現しながら、必要に応じて外部の力を活かし、柔軟な体制で事業を展開しています。建築分野では比較的見られるスタイルであっても、土木分野ではまだ珍しいこの働き方を、自ら実践しながら発信しています。


現場・技術・経営を横断して支えるユナイテッド株式会社の事業

ユナイテッド株式会社が手がけているのは、単なる工事会社の枠にとどまらない、建設業の総合支援です。

具体的には、施工管理のサポート、各種書類の作成代行、設計、ICT活用の支援、コンサルティング、セミナーなど、工事の前後や現場運営全体に関わるさまざまな領域をカバーしています。
「現場だけ」「書類だけ」ではなく、建設事業者が困っていることを総合的に支えていくスタイルに強みがあります。

建設業界では、技術力はあっても、管理体制や書類整備、ICT対応、人材育成といった部分に課題を抱える企業も少なくありません。そうした現場に対して、山村氏は自身の豊富な経験をもとに、立場を超えて支援を行っています。

また、ひとりで抱え込むのではなく、外注先や協力会社と連携しながら柔軟に体制を組み立てる考え方も、今後の建設業の新しいあり方の一つとして注目される部分です。


経験してきた立場の多さが、“何でも相談できる強み”になる

――本日はよろしくお願いいたします。まずは、これまでのご経歴と現在の事業内容についてお聞かせください。

山村氏:
ユナイテッド株式会社・代表取締役の山村大輝と申します。北海道の函館の方で、土木・建設工事の総合サポート会社として、施工管理サポート、書類の作成代行、設計、ICT、コンサル・セミナーなどをやっております。

クライアントは日本全国におりますけれども、工事をやる部分に関しては地元の北海道・函館がメインです。施工管理のサポートだとか、そういう部分については全国対応しております。創業して8年目で、令和元年に法人化しました。

今は「ひとり建設業」と言って、外注さんなどの力を借りながら工事をやっています。建築では比較的多いかもしれませんが、土木ではあまりない形なので、そこを取り組みながら、人の力を上手に使ってやっていくことを発信しています。


“負けない強み”は、ゼネコン・下請け・家業・設計会社まで経験してきたこと

――仕事の中で、「ここは絶対に負けない」と思う強みはどこにありますか。

山村氏:
土木の方で33年やってきまして、いろいろな立場で仕事をしてきました。ゼネコンの施工管理、下請けでの施工管理、実家の家業で役員もやりましたし、設計会社にもいました。それで今は独立してやっているので、オールラウンダーとしていろんな立場を経験してきたところは圧倒的な強みかなと思っています。

今は総合サポートとして、各地方の「困ってる」を何でもありで解決していく。そこが強みだと思っています。


成功も失敗もあるからこそ、土木は面白い

――これまでで印象に残っている成功体験や失敗、そこから学んだことを教えてください。

山村氏:
成功で言えば、やっぱり大きい工事をどんどん任せてもらえるようになったことですね。自分のスキルアップとともに、裁量を持って仕事ができるようになる。その自由さと実力が揃ってきたところは、この仕事の面白さだと思います。

僕がいた会社では、結構自由にやらせてもらっていたので、工事成績を狙って取ってみたりとか、そういうやりがいのある体験ができました。

一方で失敗でいうと、いろんなことができることで強みが分散してしまったこともありました。職人さんを入れて新しく商売をやろうと思った時期もあったんですけど、コロナの影響もあって、うまくいかずに挫折したこともあります。

でも、それも含めて表裏一体だと思うんです。失敗することもあるけれど、大きく成功することもある。自由さと責任の大きさが比例しているのが、ちょっとヒリヒリして、土木の面白いところだなと思います。

あとは、自分が作ったものが20年、30年残っていくことですね。道路や橋のように、当たり前に使われているものの安全を支えている。自分の作品として街の至るところに残っていくのは、この仕事の魅力だと思います。


「安心して園児が歩ける」その言葉が報われる瞬間だった

――辛いことも多い中で、「やっていて良かった」と思う瞬間はどんな時ですか。

山村氏:
前に幼稚園の前の道路工事をやった時ですね。失敗したこともありましたけれども、完成した時に園の方から「これで安心して園児が散歩できますよ」と言われたんです。

そのあと実際にそこを通ったら、園児たちがみんなで手をつないで歩いていて、それを見た時はちょっと嬉しかったですね。


事故が起きやすいのは、難しい場面より“気が緩んだ時”

――現場の安全や品質のために、特に気をつけていることはありますか。

山村氏:
安全に関しては、法規のものを守るのは当然なんですけれども、自分としては一番の管理者なので、「第三者の目で現場を見たい」という意識を持っています。現場責任者でも総責任者でもありますけど、ちょっと遠巻きに見るようにしています。

あとは、大体難しい仕事をやる時って、そんなに労災事故は起きないんですよ。やっぱり事故が起きやすいのは、「気が緩んだ時」「終わった時」「片付けの時」なんです。そういう時に、ルーティンワークがちゃんとできているかどうかをすごく気をつけて見ています。


現場をうまく回すには、技術より“人の組み合わせ”が大事

――現場や会社での人間関係やヒューマントラブルをうまく回すコツはありますか。

山村氏:
人に関しては、その人のスキル特性や性格の組み合わせでチームを組ませることにすごく注力しています。得意技があるけれど少しやんちゃな部分がある人には、慎重な人を組ませるとか、そういう適材適所にはかなり気を使っています。

施工管理って、職人さんたちの力を上手に借りる仕事なんですよね。でも、職人さんの話を全部そのまま聞くわけにもいかない。その中でどうするかというと、僕らの仕事の本質は「今」じゃなくて、「3日後にみんなが楽になるような施工方法を考えること」なんです。

そのためには、現場の中でちゃんとわかるように情報共有して、組み合わせていくことが大事です。

やっぱり大事なのは、技術力より人間力でしょうね。コミュニケーションが良くなると現場は良くなるし、技術は高いけどトラブルメーカーの人がいると、現場はうまくいかない。そこはすごく感じています。


やりがいは“大きな完成”よりも、小さな達成の積み重ねでつくる

――職人さんたちにどのような姿勢や価値観を持ってもらいたいと考えていますか。

山村氏:
まず、自分自身が見られていると思っています。「山村がやったなら大丈夫だろう」と見られる部分もあるので、僕自身がゴミを拾うとか、当たり前のことを当たり前にやるようにしています。なるべく自分でも体を動かしてやるようにしていますね。

職人さんたちには、どちらかというとゲーム感覚で現場をやってもらいたいと思っています。このぐらい進んだらここをやる、このぐらいまで行ったら今日は上がろうか、とか。進捗と時間を区切りながら、楽しみながらやれるようにしています。

僕らの仕事って完成までが長いので、「3か月後にできるものをイメージしてくれ」と言ってもなかなか難しいんです。だから、「3日後にできるもの」「1週間後にできるもの」をイメージしてもらうようにしています。

昔は大きく伝えてやりがいを感じてもらおうとしていましたけど、やりがいって日々の積み重ねだと思うんです。小さい目的、短いマイルストーンを積み重ねて、そのトータルが竣工になるようにしています。


人が辞めない会社に必要なのは、“ちゃんと見てもらえている”という実感

――人が離れない会社づくりのために、意識していることはありますか。

山村氏:
上司が優しいとか、話を聞いてくれるとか、そういう部分ももちろん大事なんですけど、僕は新人育成のサポートをする中で、先輩に「新人とマンツーマンで5分間ミーティングをしてくれ」とよく言っています。

5分間って時間を決めると、質問する側も聞きたいことを整理してくるし、答える側もちゃんとまとめて話そうとするので、お互いに言語化しやすくなるんです。そういう風に育てた子が、今度は若い子が入ってきた時にまた同じことをやってくれるようになるんですよね。

現場では、どうしてもコミュニケーションが取りづらい時もあります。移動中もスマホをいじってしまって、あまり話せないこともある。だからこそ、意識してそういう時間を作ってしまうことが大事だと思っています。

飲み会やバーベキューもあるかもしれないですけど、人が辞めたくなるのって、現場でのふとした瞬間なんですよね。だからこそ、「ちゃんと目をかけてもらえている」と感じてもらえることがすごく大事なんだと思います。

今の若い子たちは、そういう部分を特に大事にしていると思うので、ちゃんとフォローしてあげた方がいいと思います。


建設業の懐の深さを、もう一度取り戻したい

――今後のビジョンについて教えてください。

山村氏:
僕は、今の建設業がちょっと綺麗になりすぎていると感じる部分があるんです。もちろん、整備されていくことは大事なんですけど、昔の建設業には、少し道を外れた人やアウトローっぽい人も含めて受け入れて、飲み合わせてやっていく懐の深さがあったと思うんです。

そういう部分を、全部排除する方向に行くんじゃなくて、そういう人たちもブルーカラーでちゃんと飯を食えるようになるとか、ちゃんと更生できるようになるとか、そういう部分もサポートしていきたいと思っています。

僕のところで教育してから送り出して、その会社に戻すとか、そういう形でいろいろな貢献ができたらいいなと思っています。


編集後記

今回のインタビューを通じて印象的だったのは、山村氏が「技術」や「効率」だけで建設業を語っていないことでした。
現場を回すために必要なのは、経験や段取りだけではなく、人の特性を見て組み合わせること、短い達成目標をつくること、そして「ちゃんと目をかける」こと。そうした非常に人間的な視点が、言葉の端々から伝わってきました。

また、建設業の未来についても、単に制度や仕組みを整えるだけではなく、「懐の深さ」をどう残していくかという視点を持たれていたのが印象的でした。
多様な人材を受け入れ、育て、社会の中で役割を持てるようにしていくこと。それもまた、建設業が持つ大きな価値の一つなのだと感じます。

ユナイテッド株式会社の取り組みは、これからの建設業において、現場・技術・人材・経営をどうつないでいくかを考えるうえで、多くの示唆を与えてくれるものでした。


企業情報

ユナイテッド株式会社
代表取締役:山村 大輝
URL:https://united-co.jp/

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この記事を書いた人

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